Kie Akiyama

穐山きえ 公式ウェブサイト

ポジティブな感情と虚無感

現在連載している『兎にも角にも』の単行本第3巻が発売されて1週間が経ちました。3巻が最初の打ち切りラインだったのでこの巻で最終回となってもいい様に構成を考えていたのですが、有難いことにもうしばらく続けられそうです。一重に購入してくださった皆様のおかげです、ありがとうございます。-…と、SNSなどでは発言するのですが、正直私はこういう時の「嬉しい」という感情をいまいち感じ取ることができません。このような表現をすると非常に白状且つ傲慢な人間に思われるかもしれませんが、そうではないのです。買ってくださった方には非常に感謝しております、いくら言葉を連ねても足りないほどに。ただなんというか、「これは自分が創ったものなのか?」と他人事のように思ったり、「私が求めていたものはこういうことだったのか?」と意味もなく虚しさを感じてしまったり、「嬉しい」という感情にどうにもアクセスできないのです。ポジティブな感情を感じるべき場面でネガティブな感情を感じてしまう、この症状は単行本に限らずあらゆる面で起こります。例えば、漫画を描いていて私が最も精神状態が荒れやすいのは原稿を描き上げた直後です。普通なら達成感や〆切に間に合った安堵感に満たされるところなのでしょうが、どっと虚無感が押し寄せてきてわーっと大声で叫びだしたいような、頭を振り乱して怒りだしたいような状況に陥ることがあります。思うだけじゃなく本当に怒り狂ってることも多いんだけど…でも他者に当たってないから許してくれ… おかげで壁やドアに穴を開けたり床をきしませたりするので賃貸マンションを引っ越す度に大変です。実家の私の部屋にもいくつか穴が開いています。以前この話を心理士さんにした時「ああ、ちゃんと物にしか攻撃しないんですね。普通その状態だったら人に暴力をふるってしまいますよ、自制心が強いんだなぁ」と言われ驚いたことがあります。自分の怒りすらコントロールできていないことを自罰するばかりだったのですが、その状態自体が十分コントロールされた結果だったんですよね。そうなんだよ、本当はもっと破滅してもいい状況なのに、ここで踏みとどまっている自分は充分コントロールしてるじゃないか… それに気づいてもらえた時、むず痒いような、少し自分を褒めたいような、自分自身でも気づけていなかった自分の努力を見つけてもらえて泣きたいような気持ちになりました。-…あ、これが「嬉しい」って感情?なんかちょっと違う気もするけど… 

「嬉しい」以外にも「楽しい」も感じづらいです。「楽しい」時間のその後の「消失」の方が先立ってしまうんですよね。「消失」しか経験してこなかったからでしょうか。どんなに努力してもあっという間に手のひらから無くなっていくことばかりが記憶に刷り込まれてしまっています、特に人間関係は… だからギブアンドテイクの関係でしか人間関係を構築できないのでしょうか、いや、ギブアンドテイクであっても大して誰とも構築できてないんだけど… 私が何か与え続けている間は消失しないだろうと思えば幾分か落ち着いていられるものです。でも、そこまでして得た関係に一体何の意味があんの?-…あ、また虚無が…

こんな時間(朝7:30)まで何をしていたかというと、以前このブログでもぼやいていたカラーイラストに再チャレンジしていました。見事撃沈したので大人しくモノクロイラストにしようかと思います。いや、なんだか絵そのものが可愛くなく見えてきたのでいっそ0から描き直してしまおうか… いやいや、もう描かなくていいんじゃないか、仕事でもないしさぁ… 今日から本格的な作画期間に入るのでどうにか気持ちを切り替えていきたいところなのですが、この撃沈は些か不安です。大丈夫大丈夫、モノクロは誤魔化し方確立してるから描けるよ、きっと、多分…自己暗示… 7月は3回更新日があるので3話分のネームを仕上げましたが、果たして作画が間に合うでしょうか。ここ2ヶ月の作画ペースのまま進められればギリギリ間に合う計算ではありますが、いかんせん不安定な人間なので戦々恐々としております。単行本作業が終わってしばらく落ち着いて描けると思っていたのに毎月切羽詰まってる気がするな… 編集さんからも月2回更新で大丈夫だと言われているのですが、でもまぁ、いつまで連載を続けさせてもらえるかもわかりませんし描ける内にできるだけ描いておきたいと思っています。-…何のためにそこまで?やっぱり虚無に繋がっちまうんだよなぁ…

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