Kie Akiyama

穐山きえ 公式ウェブサイト

人生見世物

今週は久しぶりに腹痛発作が来てしまい頓服を使ってしまいました。そこまで大きな発作ではなかったので様子を見ようかとも思ったのですが、今月はいつもより多めに原稿を描きたいので体力を消耗する前に投入、40分程で鎮静。頓服は今のところ効いてくれるので助かりはするのですが、全く痛みがなくなるかと言われるとそうでもなく…強火で沸騰させられている状態を弱火にされるというか、それはそれで生温い気分の悪さがあります。その後予定通り原稿作業を終わらせて睡眠を取りましたが、翌日の方が気怠さが抜けず仕事が捗らない結果に…まぁそんな時もあるよね、仕方なし。最近夕食後に発作が来ることが多いのですが、何か関係があるのでしょうか。思えば入院中も内視鏡検査の下剤で誘発され発作が来たことがありました。胃腸への刺激がトリガーなのでしょうか、でも食事と全く関係なく発作が来たパターンも多いので何とも言えません。

今日の昼間、ふと最後に自分が破綻していた時からどれくらい経ったのだろうと思い数えてみると、まだ2年も経っていないことに驚きました。最近は「どうしたら作品を広く認知してもらえるか」「世間が求める作品」「原稿のクオリティと量産」「もう一本連載できれば精神的に安定するのではないか」等ということに主に頭を悩ませているのですが、これって贅沢で高望みな悩みですよね。たった2年弱前までは生きていることすらやっとだったのに、今では社会的な成果を追求しようとしているなんて。今私は自分自身への評価が、「あんな破綻状態から短期間でここまで立ち直ったんだから充分良くやってるよ」というオフの自分と、「漫画家としてはまだ成果が足りないのではないか」というオンの自分とで二極化していて、その狭間で行ったり来たりしているのでしょうね。ここ数回のブログを読み返しても両者の評価が代わる代わる出てきているのがわかります。こんな話をカウンセリングでしようものなら「頑張り過ぎたらまたダメになってしまうよ」と抑制されるところなのでしょうが、私には綺麗事に聞こえてなりません。「普通でない人」が「普通の人」のふりをして生きていくにはコストがかかります。私は「普通でない人」なので、日常生活を送るだけで非常に大きなコストをかけて過ごさなければなりません。コストがかかるならその分リターンが欲しくなるのは当然です。頑張ってるんだから、ご褒美が欲しい。でもご褒美を得るためには「普通の人」だって頑張らないといけないわけで、とすると「普通でない人」は更にその何倍も頑張らなければならない計算になります。「頑張り過ぎたらまたダメになるよ」なんて言っていたら、永遠にご褒美にはありつけないのです。ご褒美もないまま、身を削って「普通のふり」をして送る日常。その生活に一体なんの意味があるのでしょうか、果たしてそうまでして生きていく必要があるのでしょうか。今、私はこのご褒美を仕事によってもたらされる社会的な成果によって埋めようとしているのだと思います。しかし、この社会的成果が私にとってご褒美となるかというと、おそらくならないこともわかっています。破綻する以前、漫画家を目指し始めた時も同じことを思っていました。「何か社会的成果を得たら私も普通になれるのではないか」「もしかしたら嬉しいとか、楽しいとか、そういった感情を感じられるんじゃないか」「人間関係が築けるのではないか」幼少期から支払ってきた莫大なコストの分だけ、期待値は爆発するほどに膨れ上がっていました。でも、結局ご褒美なんてあるわけないんですよね。私自身が感じられないんですから、たとえご褒美があったとて受け取れないんですよね。膨れ上がった期待値が爆発すればもう落ちるだけで、気づけば正常な判断はできない状態でした。期待値をそこまで膨らませていた時点で、正常な判断なんてできていなかったのかもしれません。漫画に関わらず、あらゆる面でこのご褒美を得るために振り回されてきました。では、それがわかっていながらもなお、社会的な成果を追求している今の私は一体何を求めているのでしょうか。もしかしたら、自分の人生にご褒美なんてないという事実を受け入れたくないだけなのかもしれません。

しかし、以前と違うことはこの状況をどこかゲームのように捉えている自分もいることです。情報を集めて作戦を立て戦ってみる、勝ったら「フフン」と笑えるし、負けたらもう一度作戦立てから。それくらいの気軽さで漫画を描いていけたら一番良いバランスなのかもしれません。コストがかかるのは変わらないから、ガス欠になるまでの制限付きな気もするけど… でも、この状態がいつまで続くのか、それも一つの実験だなぁとも思います。考えすぎて頭のおかしな私は一体どこまで命を繋いでいけるのでしょうか、見世物としてはなかなか面白そうかもしれない…いや、こんなことに興味あるの私だけかもしんねぇな…

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